門司港地域の足跡
~物語がつなぐ門司港駅の「今」と「昔」~
門司港が「バナナのたたき売り」発祥の地というのは有名なお話。
台湾産のバナナが日本に輸入されるようになったのは明治の時代から。台湾から最も近い日本の港である門司港で大量に荷揚げされていたそうです。
青いバナナは蒸されることで食べ頃の黄色いバナナに。
その中でも傷んだり、熟れすぎてしまったものをいち早く売りさばくために、即席の歌や口上を交えながら、お客を集めて販売したのが「バナナのたたき売り」の始まりだそうです。
そうそう!前回ご紹介した門司港駅にも貴重な物語があります。
グランドオープン(2019年3月)した門司港駅に「誇りの鏡」があるのをご存知ですか?
戦後直後の門司港駅は多くの引揚物でごった返す毎日。
そんな中、駅のホームでお腹を膨らませた1人の女性が夜を明かそうとしていました。
その異変に気づいたのが門司港駅の駅員さん。
夜も遅く、開いている病院はありません。駅員さんは自宅で産んでもらうことを決意します。そこで無事出産を終えることができました。
その時の感謝の気持ちを込めて門司港駅に贈られたのがこの鏡。当時の駅長さんが「誇りの鏡」と名づけ、今も駅舎に飾られています。
他にも是非目をとめてほしいのが「安全の鐘」です。
今は列車の出発を知らせるのは駅員さんのアナウンスですが、大正の時代は、この「出発合図の鐘」を駅員さんが鳴らしていました。昭和に入ると「安全の鐘」、平成に入ると「旅立ちの鐘」として生まれ変わり、今も往来するたくさんのお客さまを見守り続けています。
物語でつながっている「今」と「昔」。そんな見どころいっぱいの門司港駅を是非味わってみてください。




